ベルギーにて・レンガと曇り空

ベルギー生活とその周辺を旅した記録

L’Assiette Champenoise ★★★

新年早々ランスに来たのは、素敵なレストランを訪問するため。

ランスの郊外、タンクーにあるラシエット シャンプノワーズは、昔の貴族の邸宅を思わせる素敵なホテルの中に、同名のレストランを擁する。レストランは2014年に三ツ星に昇格し、オーナーのアルノーラルマン氏の独創性あふれるフランス料理が楽しめる。

前回ランスに行く際に、語学学校のマダムからこのレストランの存在を教えてもらった。三ツ星だけれども、パリにある三ツ星ほど敷居も(お値段も)高くなく、お料理もスタッフも最高だからぜひ行ってみて!と。

星付きレストランなんて人生でそもそも行ったことがなく、しかもその中でも最高峰の三ツ星…ということでまだ私たちには早すぎるとも思ったが、そもそもいつからなら三ツ星に相応しいと言えるのか?年齢など関係ないのでは?フランスで三ツ星レストランなんて、機会があるときに行かねばいつ行くのだ?ということで若輩夫婦でありながら【経験にお金を払おう】と三ツ星レストランへの訪問を決めた。前回のランス訪問の時は直前だったこともあり満席で予約が取れず、満を辞して年明けに出直すことになった。

訪問3日前にレストランから流暢な英語で予約確認の電話が入った。ワクワクが募る。

とはいえかなりリッチなディナーになるので、宿泊はレストラン近くのアパルトマンを借り、気持ち程度の節約。

予約の時間が迫ったので2人ともお着替え。私は日本から持ってきたレースのワンピース、パートナーはブラックスーツ。せっかく持ってきたので、ヨーロッパで着る機会があってよかった。

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宿泊したアパルトマンから徒歩10分くらいの距離。いざ入場。
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受付で名前を告げ、コートを預けた後はテーブルの用意ができるまでアペロでも飲んでお待ちくださいと、一階にあるバーに通される。八角形のお皿に載った一口サイズの口取りが運ばれてきた。タッチパネル式のメニュー表から選んだシャンパンで乾杯。
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周りはそこそこご年齢を召した夫婦ばかり。我々は緊張の中でシャンパンをいただく。Champagne De La Roye Brutという美味しいシャンパンだった。Brutにしては甘めな気がしたが、何しろ緊張していたのであまり覚えていない。
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口取りがどれもこれも美味しかった。リールでケーキを食べただけで、2人ともお腹を空かせて到着したので美味しい口取りにシャンパンですでに幸せである。パートナーはフォアグラが薄いパイに包まれたもの、私はお肉のパテが気に入った。

テーブルの用意ができましたと声をかけられ、二階へ案内される。薄暗い店内に間隔を開けていくつか丸テーブルが並んでいる。通された席に座ると、アミューズが運ばれてきた。

ウニにフェンネルのソースがかかったもの。ウニは苦手だが一口だけなので問題なく食べられた。臭みも全くない甘いウニだった。

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前菜はブルターニュ産のホタテに、パセリのソースがかかったもの。

これが1番美味しかった気がする。まだ前菜だが、お腹も減っていて、2人で悶絶しながら食べていた。貝柱の甘味とパセリの苦味がよく合う。白ワインも進む。ちなみに頼んだのはCondrieu 2017 Tardieu-Laurentというローヌ産の白ワイン。アルザス産のワインはスッキリ飲みやすいという記憶を頼りにアルザスワインのページから頼んだつもりだったが、改めて調べるとローヌ産となっている。はて。

ワインに詳しい友人に後日聞くと、コンドリューは生産量が少なくて貴重なワインなんだとか。良い経験になった。癖がなくフルーティで当たりのワインだった。
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幸せな顔をする私。

ちなみに付け合わせの穀物のパンも、塩と燻製と無塩の三種類のバターも、どれも美味しかった。
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お次は日本酒のソースがかかったチコリーのソテー。日本酒の優しい甘さが引き立つソースが美味しい。パセリのソースもだが、ここはソースが独創的で食べたことのない味がして、とても美味しかった。
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お魚はブルターニュのBrillのソテー。アーティチョークと共に。Brillは初めて聞く名前だったがヒラメのようなものらしい。確かに淡白な味でソースの味が濃く、少ししょっぱい一皿だった。
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メインはFeathered Game Pieという、お肉のパイ包み焼き。鴨肉とフォアグラとお野菜がきれいに重なっている。しかしこの時点で満腹を超えたお腹になっていた私は食べきれず、また大量のフォアグラに若干気持ちが悪くなっており、半分ほどしか食べられなかった。もったいない、ごめんなさい。フルコースは久しぶりすぎて、自分のお腹の容量を忘れてしまっていた。
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食後のチーズ。チーズボードに乗ったたくさんのチーズの中から選ぶことができる。上記の通り破裂しそうなお腹を抱えていた私は無難にブリーチーズのみオーダーして終了。
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食後のデザート。別腹を総動員して挑む。チョコレートのデザート、甘すぎず程よくスパイスが効いていて、重たくなくて良かった。
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パートナーのデザートは、パッションフルーツとピスタチオ。
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食後のお茶菓子。棒付きのものはメレンゲの中にキャラメルが入ったもの、左は小さなクレームブリュレ
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手前はフルーツゼリーとフランボワーズのチョコレート、真ん中はカヌレ。すべて間違いなく美味しい。もはや意地で一つづつ食べる。
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結局4時間くらいレストランに滞在していた。最後の方にオーナーのラルマン氏が各テーブルに挨拶に来てくれて、頑張ってフランス語で感想を述べる。サーバーは皆英語が流暢でコミュニケーションは特に問題がなく、居心地も良く、またお皿をサーブするときや下げるとき、パンくずを取るときの一挙一動がバレエのダンスのように美しい。事前にパートナーとフレンチのマナー講座を読み耽ったが特に困ることも場違い感を感じることもなく、初めての三ツ星の夜は穏やかに更けていった。残念なのは緊張して酔いが早く回って途中から眠くなってしまったことと、満腹でメインを存分に楽しめなかったこと。そしてフォアグラが得意ではないと再認識したこと…。フォアグラはメインにたっぷり食べるよりも、前菜でちょこっとつまむ程度が丁度いいなと思った。

お会計はチップ込みで2人で600€弱。

またいつか、何かの節目に記念日ディナーとしてこのような素敵な体験をしたいねと話しながら、アパルトマンへの帰路に着いたのであった。